六月。
雨が降ると、風が少しだけ冷たくなって、
すこしだけ澄まされた静かな世界になる。
雨が落ちて、森の葉っぱがつやつやしている。
向こうの山には霧がかかっている。雲が動いている。
田植えも終わった田んぼには、雨が降り、風が映り、
いろんな生き物が楽しそうに遊んでいる。
人間は、自然から生まれ、最後も自然に戻っていく。
そんな繰り返しを自然はいつも分かっていて、見守ってくれている。
【写真は、先日施主さんから送ってきて頂きました夕暮れ時の一場面です。】
天井のスリットから絞り込んだ西陽を取り込んで、光が天井を舐め、室内を間接的に夕暮れ時の色で包み込む。
そして明るさを抑えた室内から、西陽で照らされた森へ、吸い込まれるように。。
事務所でも現場でもスリットの幅や高さを模型で検討し、スリットに対し水平に西陽を確実に捉えられるか、
最後の最後まで設計を悩んでいたのを思い出します。
写真を見て、これで良かったんだよ。。。って言ってくれてるようで、嬉しく思いました。
完成して10年近く経って、こうして写真を送っていただくと、
事務所のスタッフと共にこの建物を考えていた時間を思い出します。
スタッフと共に考えた時間はいつまでも僕の宝物です。