四国の設計作品【 心療内科クリニック〜やさしい居場所 】作品公開いたしました。

スクリーンショット 2021 01 06 8.31.49 四国の設計作品【 心療内科クリニック〜やさしい居場所 】作品公開いたしました。四国の設計作品【 心療内科クリニック〜やさしい居場所 】作品公開いたしました。

 

『頭をガーンと殴られたような感じでした。』

 

先日、私からのプレゼン説明を一通り終えたのち、オーナーさんが発された一言。

 

この心療内科クリニックのプロジェクトでは、色んなことを想いながら仕事をさせて頂いた。

 

この建築は誰のためのもの?誰が喜んでくれる?誰がどう動く?と、

駆け出しの頃から自問自答しながらずっと建築を考えているが、建築は経済と密接に絡んだものである以上、

まずもって建築は第一義にオーナーさんのためのものである。

 

でも、確かにそうなんだけど、所有権はオーナーさんのものでも、本当にこの建物を必要としているのは、一体誰?誰が喜んでくれるために、この建築をつくるのだろうか。

 

表面的なリクエストにだけ応えるのではなく、建築をつくる意味をよく考えて、具現化することこそが、結果的にはオーナーさんが真に求められていることであると、この仕事をやってきた経験上、そう感じている。

 

プランや空間を、こうして、ああして、デザインは今時の感じで、、、などなど。

色んなオーダーはあったとしても、一体誰のためのデザインなのか、そこを考える。

 

建築の設計とは、デザインという目に見えるものと、建築の時間軸、目に見えないものを見る目、その両目を見開いて、無数の様々な事柄を整理決定していくものだ。

目に見える間取り、デザイン。目に見えない空気、光と陰。

つまり全てはコインの裏と表である。

 

そして、目に見えない根や幹の部分が最も大切で、そこがしっかりしていれば、

生き生きした芽や美しい花は、放っておいても勝手に咲いてくれる。

いや、勝手に、花は咲いてはくれぬ。。

実際には、添え木をして、肥料をやってと、手取り足取り、設計の手当てが必要とはなる。

 

このプロジェクトは、云うまでもなく、患者様のための建築であり、患者様が快く、安らかに、くつろげるような、そんな空間、建築をつくるべきだと強く想い、オーナーさんから既にオーダーされていた事柄を当然満足しながらも、さらにその枠を遥かに超えた提案、

究極的にはオーナーさんのためではない、患者様のための建築をつくりたい、と私の構想を打ち明けた。

 

そんなプレゼンを経ての冒頭の一言である。

 

本当に必要としているひとへ届くような建築を。

 

 

この建築が悩めるお方の、ほんのすこしの灯火になりえたら、ほんの少しのお手伝いができたら嬉しい。

 

 

 

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