先日完成しました沖縄の設計作品、CAVE complex 2015-19。
この建物は、店舗、テナント、集合住宅、駐車場、オーナー住居の5つの用途を持つ
複合型用途の5階建て商業ビルとなっています。
周辺の街並みへの影響を考え、建物のボリュームを出来る限り抑えるために、
建物は多面体の形態をとり、周辺環境へ圧迫感がない建物デザインとなっています。
建築は、街並みを考え、出来るだけ控えめに。
『素直で素朴、そして瀟洒に。』僕の建築美学。
敷地面積は70坪弱という限られた規模でありながら、フロア毎に異なる5つの用途を全て取り込み、
傾斜地である角地の立地を最大限生かした設計となっています。
また敷地には高低差があり、隣地の建物も迫っているなど、数々の制約の多い敷地条件を踏まえ、
地盤補強を最小限に抑え、無駄なコストを省き、斜面の敷地を生かした建物の動線計画、
駐車台数も10台を確保し、そして集合住宅部分のすべての住戸タイプを変えることにより、
個性豊かな収益性の高い選択肢を作り出し、建物の利回り、付加価値の向上も同時に図っています。
都市の中に建つ建物として、敷地と脳の隅々までを使いこなした設計デザインとなっています。
CAVE complex。
用途のcomplex、そしてコンクリートと木のcomplexにより生まれる新たな価値を提案しました。
コンクリートを柔らかく包み込む木のルーバーは、沖縄の強い日差しを和らげ、島風を室内に取り込み、
周囲からの視線を適度にコントロールし、そして街ゆく人にも木の柔らかい印象を与えます。
角地に建つ立地上、周囲の風景に今後、良い影響を及ぼすことができる建物のあり方、
そして沖縄の街に新たな文化を創り出すことを想って、設計しました。
琉球の空の下、ゆっくりと時を刻みますように。